GESHEM INDUSTRIAL COMPUTING GUIDE
日本向け産業用PCのVCCI・EMC確認:試験・届出・表示の調達チェック
想定読者と結論
対象は、日本国内で産業用PCや組込装置を販売するメーカー、輸入者、SIer、品質保証担当者である。
VCCIは政府認証ではなく、VCCI協会が運用する妨害波に関する自主規制である。対象となるマルチメディア機器(MME:Multimedia Equipment)のClass A/Bは、主な使用環境と許容値の区分で、性能の優劣を示す等級ではない。調達ではマークの有無だけでなく、届出主体、対象型式、Class、試験構成、実際の出荷構成の一致を確認する。
要件入力
- 日本国内での販売・設置形態と主な使用環境
- 完成品、組込部品、周辺機器のどこまでを出荷単位とするか
- CPU、メモリー、ストレージ、電源、増設カード、無線の最大構成
- 使用する全ケーブル、長さ、シールド、ポート終端
- 筐体、表示器、接地、ACアダプター、電源コード
- 届出主体、ブランド表示、取扱説明書、変更管理
Class A/Bを「上下」で選ばない
VCCI協会の説明では、Class Bは主に住宅環境での使用を目的とし、Class AはClass B以外の機器である。工場で使うから自動的にClass A、厳しい方が上位、という選び方ではなく、設計・販売する使用環境と規程に基づいて分類する。
| 確認項目 | 質問 | 必要な証拠 |
|---|---|---|
| 適用範囲 | 出荷品はMMEに該当するか | 製品用途と機能構成 |
| Class | 主な使用環境はどこか | Class判定記録 |
| 試験 | どの構成で測定したか | レポート、写真、BOM |
| 届出 | 誰がどの型式を届け出たか | 受理通知と型式対応 |
| 表示 | 本体・説明書に何を示すか | 版下と実物写真 |
| 変更 | 何を再評価するか | 変更判定フロー |
判断の手順
- 完成品の機能と販売用途から、VCCI自主規制の適用範囲を確認する。
- Classを使用環境に基づいて決め、Class AをClass Bより上または下と扱わない。
- 最悪条件となるCPU負荷、ストレージ、増設、電源、表示、ケーブル、ポート使用状態を定義する。
- VCCI登録測定設備での適合確認試験、届出、表示の証拠を、実際の出荷型式と照合する。
- 部品変更、ケーブル変更、筐体変更、電源変更、増設カード追加時の再評価条件を決める。
受入条件と限界
- 型式、Class、届出主体、受理情報が一致する
- 試験BOMと出荷BOMの差分が評価されている
- 電源とケーブルを含む試験条件を再現できる
- 本体および説明書の表示が承認版と一致する
- 量産変更時のVCCI影響判定が運用されている
VCCIはここで扱う妨害波の自主規制であり、製品安全、無線送信、イミュニティ、品質を一括して保証するものではない。本稿は法的助言ではない。適用は完成構成、輸入・販売形態、最新規程に基づき、VCCI協会または専門機関へ確認する。
FAQ
Class BはClass Aより高性能ですか
違う。主な使用環境と許容値の区分であり、製品機能や品質の優劣を示す等級ではない。
海外EMCレポートがあればVCCI届出は不要ですか
一律には判断できない。使用規格、設備登録、試験構成、届出主体、表示をVCCI規程に照らして確認する。
同じPC本体なら電源やケーブルを変えても同じ扱いですか
妨害波の結果に影響し得る。承認構成との差分として記録し、再試験または技術評価の要否を判断する。
出典
次のアクション
見積対象の完成構成について、型式、Class、届出主体、試験BOM、電源、ケーブル、表示を一行で照合できる証拠表を要求する。