GESHEM INDUSTRIAL COMPUTING GUIDE
マシンビジョン用産業PCの設計:カメラ帯域・PoE・保存量・GPUの確認
想定読者と結論
対象は、GigEカメラ等を使う検査装置の画像処理、電気設計、ネットワーク、調達担当者である。
カメラ台数だけでPCを選ばず、各ストリームの帯域、PoEのポート上限と総電力、処理遅延、保存量、時刻同期、GPU・拡張の必要性を数値化する。特に「各ポート15.4 W」と「装置全体で供給できる総W数」は別の制約である。
要件入力
- カメラ型式、解像度、画素形式、フレームレート、台数
- 常時/トリガー撮像、バースト長、再送、同期方法
- 各カメラのPoE要求、起動時ピーク、総電力
- 前処理、推論、検査時間、許容遅延、GPU要否
- 保存対象、保持期間、圧縮、障害時の欠損許容
- ネットワーク分離、時刻同期、ケーブル長、周囲温度
候補のPoE・拡張境界
| 候補 | PDFで確認できるネットワーク事実 | 設計上の扱い |
|---|---|---|
| PC-GS3153MVA | LAN1~3がIEEE 802.3af、各最大15.4 W | 総PoE予算は資料で確認できないため別途確認 |
| PC-GS31N97MVA | LAN1~4がIEEE 802.3af、各最大15.4 W | 総PoE予算は資料で確認できないため別途確認 |
| PC-GS6277A | LAN3~6がIEEE 802.3af、総PoE出力40 W以下 | 4ポート合計と各カメラ要求を同時に判定 |
| PC-GS6177B | 3 GbEとPCIe拡張の記載 | 内蔵PoEの記載なし。外部PoEスイッチや増設を含め検討 |
上記はPDF記載構成の比較であり、カメラ互換性、処理性能、同時台数を保証しない。発注改版と実際のNIC構成を再確認する。
設計の手順
- 非圧縮時と実運用時のストリーム帯域をカメラごとに算定し、ピークを合計する。
- NIC、スイッチ、記録先を分け、制御通信と画像通信の競合を避ける。
- PoEは各ポート上限、総電力、電源入力、起動時ピーク、ケーブル損失を確認する。
- CPU/GPU処理時間、メモリー、ストレージ書込帯域、保持容量を代表ワークで測る。
- パケット欠損、再接続、カメラ電源再投入、満容量、温度上昇を異常試験にする。
受入計算表
| 計算対象 | 入力 | 合格条件 |
|---|---|---|
| 帯域 | 1台当たりピーク×台数+余裕 | NIC/経路の許容内 |
| PoE | 各カメラW、同時起動、総W | ポート上限と総予算の両方以内 |
| 保存 | MB/s×稼働時間×保持日数 | 実効容量と書込寿命以内 |
| 処理 | 撮像から判定までの実測 | 工程タクト以内 |
| 復旧 | 切断、再起動、満容量 | 定義した安全状態へ移行 |
受入条件と限界
- 実カメラ、実ケーブル、実レンズ、実ワークで測定した
- ポート別PoEと総PoE予算を分けて記録した
- 最悪帯域と処理遅延のログを保存した
- 連続保存と容量不足時の動作を確認した
- NIC、ドライバー、カメラ設定を復元できる
本稿はFPS、推論性能、カメラ互換性、総PoE能力を資料外から推定しない。PC-GS6177Bに内蔵PoEがあるとは記述しない。
FAQ
1 GbEなら1 Gb/sまで画像を流せますか
プロトコル、再送、他通信、OS処理のオーバーヘッドがある。余裕を取り、実ワークでパケット欠損と遅延を測る。
4ポート各15.4 Wなら合計61.6 W使えますか
そうとは限らない。各ポート上限とは別に総電力予算がある場合がある。資料に総予算がなければ供給元へ確認する。
GPUがあれば必ずタクトを満たせますか
モデル、前処理、転送、ドライバー、冷却で変わる。対象ワークロードを実機で測定する。
出典
PoEポート、総電力、ネットワーク構成は、各製品ページから参照できる公開仕様書と発注構成で照合する。
次のアクション
候補カメラごとに「ピーク帯域、PoE定常/起動W、保存MB/s、処理時間」を記入し、合計値を候補PCのポート上限・総予算・実測値と照合する。